「フォージュリ。その殺意に意味は無い」

 しかし、フォージュリの耳にはベリルの声は届いていない。その意識、全てがジーンに向けられていた。

「やだなあ。僕も父さんも成功した仲間だよ。一緒にいるのは、当然でしょ」

「成功した──仲間?」

 その言葉にフォージュリはベリルを見やる。

「だから、そいつとは一緒にいるのか?」

「そうではない」

「そうに決まってるでしょ」

 ベリルは何故そこまで好戦的なのかとジーンに眉を寄せる。話し合いが無駄というより、そもそもジーン自身に話し合いをする気がないのは明らかだ。

 殺してしまった方が早い──そんな感情をまるで隠そうとはしない。

 互いに躊躇うことなく相手の命を奪おうとしている。どうしてこうも、私の言葉は届かないのかとベリルは目を眇めた。