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「不死だって!?」

 ベリルから聞いた言葉にジーンは二の句が継げない。

 ただでさえ世界に認められない存在であるベリルが、さらに信じられない能力を得ていた。

 唖然と見つめるジーンにベリルは苦笑いを浮かべる。

「二年前──? つい、こないだじゃないか」

 偶然、出会った少女が一度だけ使う事の出来る不死を与える力を持っていて、ベリルの死の淵にやむなく使用した。

「なにそれ」

 なんて馬鹿げた理由なんだ。とても信じられるものじゃない。けれど、現にベリルの傷はあっという間に消えている。

「なんだ。じゃあ、僕が必死で守らなくてもいいんだね」

 ベリルはそれに目を細めた。

「生きる意味を与えてくれ」と言ったジーンから、それを奪う事になるのではと胸が痛む。

「やっぱり父さんは凄いね」

 思ってもいなかった言葉にジーンを見やる。

「まさに、神が創り出した芸術品だ」

 まるで、信じている神が降臨でもしたかのような恍惚な表情を浮かべていた。ベリルは、その顔を知っている。