どういう経緯なのかは不明であるが彼は孤児とみなされ、幾つかの手続きのもと養子となっている。

 とはいえ、フリーの傭兵と民間軍事会社ではほぼ接点がなく、ジーンがベリルにたどり着くことはなかった。

 民間軍事会社はその性質上、国や軍の側に寄っている。

 ジーンが所属する会社は戦闘行為が伴う業務を行う企業ではあったけれど、国が関係する戦闘などには極力、距離を置いているベリルと出会う確率は極めて少ない。

 それでも、どうにか一年前に見つけ出し、それからずっと様子を窺っていた。

 名乗り出るタイミングを計っていたところにフォージュリが現れ、ベリルを守るために出て行くしかなかった。

 感動的な再会と出会いになるはずだったのに、失敗作が邪魔をして全部めちゃくちゃにした。

 大切な父さん(オリジナル)を殺そうとしているあいつを、僕は絶対に許さない。