──ベリルは、三食の食事以外は車を走らせた。途中にある街などで給油と買い物をして、少しばかりの休憩をとる。

 その体力に感心するジーンだが、いざフォージュリと対峙した時の体力は残っているのだろうかと心配にもなっていた。

 話し合うつもりでいるようだけれど、これまでの接触で話し合いは不可能であると解っているはずだ。

 施設から逃げたあと、ジーンはずっとベリルを探していた。

 とはいえ、傭兵に引き取られて数年は探し出す術(すべ)が解らず、傭兵としてのノウハウを学ぶ事に専念していた。

 十八歳で師から離れ単身、アメリカに飛び民間軍事会社に所属した。ジーンを引き取った傭兵はイタリア人で、ジーンは彼の養子としてイタリア国籍を取得している。