「追ってくると思う?」
その問いかけに、ベリルはジーンを一瞥した。
「ああ、感じてるんだね。後ろの気配」
視界には高い木々のない荒野を走るバックミラーに不審な影はない。それでも、フォージュリの気配をベリルは感じ取っていた。
からみつく憎しみの感情に圧迫感を覚えて深く息を吸い込む。
初めに出会った時よりもフォージュリの気配はより近く、強く、ベリルにまとわりついている。
もうしばらく走り続ければバリングラにたどり着く。その前に、フォージュリが仕掛けてくるかもしれない。
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