解っている。人工生命体を研究していたメンバーには、クローン計画は知らされてはいなかったのだと。

 知っていたならば、ベルハース教授は断固、反対していただろう。彼ならば、きっとそうした。

 解っているのに、思考は何度も繰り返しぐるぐると同じところを巡って定まらない。起こってしまったものに正しいかどうかなど、無意味な論争だ。

 どうすべきかは、起こってしまった事柄の先にある。何が過ちで、そうでないか──私は記憶の中からそれらを引き出し、より良く活かせるようにと考えている。

 では、彼らはどうなのか。ジーンとフォージュリにとって、過去の記憶は未来の想いを繋げるものとは、ならないのだろうか。