──物心ついた時には、すでに周りには同じくらいの子どもが何人かいた。
覇気もなく、ただうつむいているだけの奴から、やたらとうるさい奴。何が見えているのか、じっと同じ所を凝視している奴まで、あまりまともには見えなかった。
そして、白衣を着た陰気な七人ほどの科学者たち──ディスプレイに映し出されている少年に目を輝かせ、羨望(せんぼう)の眼差しで語り合っていた。
フォージュリは、自分よりもやや年上に見えるディスプレイの少年を無言で見つめた。対面した事の無いその少年に、何故か心臓がドクンと高鳴った事を覚えている。
口々につぶやいている科学者たちの言葉で、その理由を知ったフォージュリは憎しみがふつふつと湧き上がった。
ディスプレイに映る少年に向けられる目の輝きを、フォージュリは今まで一度も見た事がなかった。



