──フォージュリは、薄汚れたサンドカラーのカーゴパンツに草色のアサルトジャケットで木々の生い茂る公園をフラフラと歩いていた。

「ウソだ。俺は、失敗なんかじゃない──」

 聞かされた真実に未だ動揺が抑えられず、目の焦点は合わない。

「俺は成功だ。失敗はあいつだ」

 同じ言葉を繰り返し、繰り返し、呪文のように唱え続けた。

 強い日差しを避けるために訪れていた住民は、その異様な雰囲気を放つ青年を遠くからいぶかしげに見つめている。

 フォージュリはしばらく公園をうろついていたが警官の姿に素早く身を隠した。

 おそらく、住民の通報でかけつけたであろう二人の警官を草陰から見やり、その場から遠ざかる。

 我に返ったフォージュリはジーンを思い浮かべ唇を噛みしめる。

「ジーンと言ったか──あいつ」

 フォージュリは怒りと共に遠い過去を思い起こした。