「わかっている」

「嘘だね」

 父さんはただ、施設の生き残りで自分のクローンだから助けたいと思ってるだけだ。

「いつまで偽善者を決め込んでるの」

 そんなつもりはないと言えば嘘になる。ジーンの言っている事も理解はしている。それでも、他の選択肢を見つけたい。

 ジーンを制止したのは、一般人のいる場所での戦闘を避けたいというのが一番の理由だ。

 しかし、ジーンにとってはフォージュリを黙らせる事が最優先で、住民への被害は問題としていないのだろう。

 ベリルの心中に、「ジーンは本当に成功だとされていたのか」という疑問が沸き立つ。

 どういったチェック項目を設けていたのか。ベリルの目から見れば、ジーンにもどこかしらの違和感があった。