「仮にも親である相手に、憎しみで刃を向ける人間が成功だと言えるかい? 君は精神異常だ。だから失敗とみなされて、他の失敗作と同じ場所に置かれた」

「違う! 違う、違う!? 俺は成功作だ!」

 突きつけられた真実にフォージュリは思考が追いつかず苦しみに頭を抱えた。

「認めなよ。そして、死にな」

 吐き捨てて、フォージュリに向けた銃口をベリルは遮る。

「どいてよ父さん」

 優しく発するが、その瞳は冷たい。死なない程度には撃ってきそうだなとベリルは若干の覚悟をした。

「ふざけるな」

 震える声と小さな金属音に、ベリルは無自覚のまま体を少し移動させる。同時に、小さな破裂音と共にリビングのフローリングに数センチの穴が開いた。

「チッ」

 フォージュリは外したことに悔しさを滲ませてハンドガンを仕舞いつつ、踵(きびす)を返し遠ざかる。

「逃がさないよ」

「ジーン」

 走り去るフォージュリの背中に狙いを定めるジーンのハンドガンを掴み、やめろと首を振った。