「へえ。じゃあさ、時々だけど凄く似てる人とかいるじゃない。あれは?」

「環境や性格で違ってくるのだから、その逆があっても不思議ではないだろう」

「それ。本気で言ってるの?」

 ケラケラと笑うジーンをベリルは見澄ました。

 確かによく見れば、見間違えてもおしかくないほど似ている。されど、髪色に目の色、ベリルの持つ雰囲気と存在感まではフォージュリも同様に受け継がなかった。

 そのためか、じっくり見ないと同じ顔だとは気付かない。

「知ってる? エメラルドは作れないんだってさ」

 何かを含んだ瞳がベリルに向けられる。

「水晶とかダイアモンドとかは人工的に作れるけど、エメラルドだけは人工的に造ったとしても偽物でしかない」

 何を言いたいのか。ジーンのアクアマリンの瞳がベリルをはっきりと映し出していた。