「そういえば、最終フェーズとか言っていた気がする」

「段階的なカテゴリ分けをしていたのか」

 いくつかの段階を踏まえ、最終的に残った者を成功とした。

「父さんと違って、クローンの場合はただ育つだけじゃあ、成功とは見なされないんだね」

 それは研究していたチームの判断によるものだが、ジーンたちはその判断によって区分(くぶん)されていた事は事実だ。

「自分のこと、少しは調べてるんでしょ?」

 子供じみた視線にベリルは答えない。

「まあいいけど」

 食べ終えた食器を流しに運び、冷蔵庫を開く。

「これ、食べていい?」

 冷蔵庫にあったカスタードムースを手にしてベリルに示した。

 ベリルは客が来るとデザートまで振る舞う流れが体に染みついており、そのクセで今回も作ってしまっていた。