「あいつ(フォージュリ)と僕とは、一つ違いだよ。もちろん、あいつは僕のことを知らない」

 冷蔵庫を開け、飲み物を取り出しているベリルにさらに続ける。

「クローン・プロジェクトは、いくつも同時に行われていたんだ。その中で成功した者だけに、その後の教育が施される」

 ひと通り説明してリビングのソファに腰を掛け、ベリルが来るのを待つ。

「失敗作だけが、ああやって一つの部屋に集められるんだよ」

 炭酸飲料の入れられたグラスを二つ持ち、リビングに足を向けるベリルを一瞥して説明を続けた。

「……失敗作」

 テーブルにグラスを置き、眉を寄せてジーンを見やる。