──それから一週間、フォージュリからの接触は無い。あれだけの殺意があったのだ、いつかまた仕掛けてくる。
こちらが先に見つけたとしても、どうすればいいのか解らない。いや、彼は常にこちらを監視しているだろう。
仕掛けるタイミングを図っているのかもしれない。
ふいに、庭から言いしれぬプレッシャーを感じた。この威圧感は覚えている。
「フォージュリ」
カーテンを引くと、青と緑が混ざり合う瞳で険しくベリルを見つめていた。その憎しみに触れるように、ベリルは戸を開く。
「殺してやる」
ベリルの肌はフォージュリの強い殺意を感じてぴりぴりとした。
「お前は私のコピーではない」
「黙れよ」
フォージュリはハンドガンを抜いてベリルに銃口を向けた。
彼のお気に入りなのだろうか、コルトM1911がカタカタと小刻みに震えている。1911(ナインティーン・イレブン)は45口径のカートリッジが七発装てん出来る。
銃身に一発、あるのなら少なくとも、それだけの数を避けなければならない。



