「なるほど」

 奴はこれから、とても悪趣味な事をするらしい。

「最後に何か言い残すことは?」

「何故、そこまでこだわる」

 ベリルの問いかけに、フォージュリのにやけた顔が無表情に変わる。

「あんたには解らない。毎日毎日、オリジナルがどうとか。クローンは所詮クローンにしか過ぎないとか。うるさい」

 右手で顔を覆い、再び自嘲気味に笑う。

「他の奴は他の奴で、自分たちはクローンだから仕方がないみたいな顔しやがって、ムカツクんだよ!」

「そうか」

 ベリルは静かに目を伏せる。

「だからといって」

「あ?」

「だからといって、命を意味無く奪う事は許されない」

 向けられた鋭い視線にフォージュリはぞくりとした。