「和奏?」

 「ん、うん?」


ぼやっとしているとあたしの顔を覗き込んでいた真美ちゃん、なぜかその顔はニヤニヤと緩みきった頬


 「だぁれのこと考えてたの?」

 「だ、誰って?」


学校の中であたしと葵衣さんのことを知っている数少ない人なだけに、明らかに葵衣さんのことを言っている、とわかっていてもつい「なんにも?」と答えてしまう



 「ふぅん…じゃぁ誰のこと?あ、まさか、和奏嫌いになったの?」

 「はっ?」

 「だ~か~ら、あおっ…むぐっ」