side.wakana


 「っはぁ、はぁっ…まに、あったぁ~」


葵衣さんが待っている駅に着くと息が苦しかった

だって葵衣さんがあんなことをしたから、あたしはぼけっとしてしまった

しかもそのせいで準備に時間がかかって、歩いて間に合う距離なのに、走って走ってそれはもう全速力で


だから汗もダクダク、ちゃんとセットしてきた髪だってボロボロ、朝からひどい顔なあたし


改札口まで行くとあたしを見つけた葵衣さんが笑っていた


笑わないでほしいなぁ…だってあなたのせいなんだもん