「今年本校に配属されました。崎野修也です。未熟な点が多いと思いますが、ご指導のほどお願いします。」


ありきたりな挨拶をした後、席に戻った。






「崎野先生、挨拶とっても良かったですよぉ。これから同じ職場で頑張っていきましょうねぇ!」

間抜けな声のこの女…英語の高梨陽子先生だ。


肩までの茶髪を綺麗に内側にフンワリと巻いてフワフワした服の、いわゆる天然で癒し系の先生。



生徒からの人気があって、ファンクラブまであるらしい。




「あ〜私、酔っちゃったかもしれないですぅ。寄っ掛かってもいいですかぁ?えいっ」

と言いながらコテンっと頭を肩に乗っけてきた。




「高梨先生、大丈夫ですか?店員さんに言って、お水もらいましょうか?」


心配したフリをしてみる。
(女の媚びた声って嫌いなんだよね。出直してこいっつの。)




ちょっと不機嫌になった高梨陽子の前に座っている、冴島美里(サエジマ ミサト)が枝豆を食べながら



「陽子、崎野先生の邪魔になるでしょ。大して酔ってもないくせに。いい年こいてブリッコは痛いだけよ。」




サラリと毒を吐いた。