なんと言っても傘を受け取らない私を見かねて 彼はこんなことを言った。 「じゃあ、雨が止むまで俺も待ってるよ」 「え」 藤井君は私の隣に静かに座った。 微かに触れてる腕から 私の心臓の音が聞こえそうで 少しだけ怖くなった。 どくん、どくんと 心臓は鳴り止まない。 雨の匂いと鉄の匂い。 雨の音と心臓の音。 雨をついてないことに入れるのは間違いだったかもしれない。 「藤井君、 一緒に帰るってのはどうかな」 彼は何も言わず私の右手を握った。 *******end*******