私は病院から動くことができなかった。


現実を受け入れて目の前が真暗になった。


ただ目からは止まることなく涙が溢れ出てくる。


「お姉ちゃんどうしたの?」

小さな女の子が心配そうに私を見つめていた。


「もう大丈夫だよ。」


パジャマ姿で細い体をした女の子はそう言って私に一輪の花を差し出した。


「元気出して、お姉ちゃんが泣いてるとお花さんも泣いちゃうよ。」


(この子自分も病気で辛いはずなのに……。)


少女がくれた雑草は、その子みたいに小さくて可愛かった。


「ありがとう……。お姉ちゃんもう泣かないよ…。」


私は小さな女の子から前へ進む勇気を貰った。