「麻梨亜ちゃんおはよう。」

「あっ海君、おはよう。」


(だめだ!渡辺さんに言われた事が頭から消えない!海君が専務に見える…。)


「麻梨亜ちゃん?どうかした?」


「ううん、なんでもないなんでもない!!」


「麻梨亜〜!!ちょっと来て!」


大輝が廊下から叫んで手招きをした。


「転入生と最初からやけに親しいけど知り合いなんか?」


「あぁ〜、海君はうちの家政婦さんの息子なんだ。」

「じゃぁ〜麻梨亜が金本太一の娘だって知ってるってことか?」


大輝が心配そうな顔で言った。


「知ってるけどきっと大丈夫だよ。海君はそういうことを話しのネタにして言ったりする人には思えないから。でも一応内密にってお願いしとくよ。」


私が海君のことを褒めるようにしゃべったら大輝の顔が曇った気がした。


(って自分、いくらなんでもそんなわけないし。何自惚れてんだろう……。心配してくれてるのに言い方まずかったかな……。)