「海君おはよ~。」


今日も笑顔で僕に挨拶してくれる麻梨亜ちゃん。


いいことでもあったのか今日はいつもより表情が明るい。


授業中も何だかそわそわして落ちつかないみたいだ。


(携帯を見てる………。)


何回も携帯を取り出すが特にメールを打つ感じでもない。


(ん………?)



僕は麻梨亜ちゃんの携帯に今まで無かったストラップが付いていることに気付いた。


(あのストラップを見ている…………。)


僕はストラップを愛しそうに見る麻梨亜ちゃんの表情で今日機嫌がいい理由もそのストラップをどうして持っているのかも全て分かった気がした。


(麻梨亜ちゃん……そんなに岸田君の事が好き……?)


心が壊れてしまいそうなほど胸が痛い。


(麻梨亜ちゃんを好きな気持ちは岸田君に絶対負けていない………。)


僕は麻梨亜ちゃんに恋愛対象として見られていない。


悲しくて悔しくて情けなかった。





(麻梨亜ちゃんを諦めきれない僕はどうしたらいいんだろう………。)