「麻梨亜、日曜日暇?」

突然の誘いに一瞬戸惑った。


でも……。


「暇だよ。」


最初はあんなに苦手だったのに、今では岸田君といる時が一番落ち着いた。


「じゃぁ〜朝9時に学校集合!」


そう言って岸田君は帰って行った。


「デートの約束?」


後ろから急に声がしてビクッとした。


「ハハッ。そんなびっくりしないでよ。」


「海君……。別にデートなわけじゃ……。」


なぜか申し訳ない気持ちになった。


「そっか、ならよかった。」

そう言って海君は私の頭を軽く撫でて歩いて行った。

「岸田……直人……。あいつさえいなければ……。」

そんな海君の心の叫びまでは私は気付いていなかったのだ……。