文化祭も終わりに近づいてきた。


もうすぐダンスパーティーが始まる。


会場の体育館へ向かう男女のペアをちらほら見かけるようになってきた。


(大輝と美樹、ダンスパーティー出てくれるかな……。)


｢麻梨亜ちゃん……。｣


海君が私の肩にぽんと手を置いた。


｢大丈夫だよ。きっと仲良くやってるよ。｣


海君はほんと私の心が読めるみたいだ。


｢あ、あの岸田君……。ちょっといいですか？｣


女の子が緊張気味の声で岸田君を呼んだ。


｢……何？｣


相変わらず冷たい態度の岸田君。


女の子が言いづらそうに私の方をチラっと見た。


｢ほら、呼んでるよ！｣


私は岸田君の背中を押して女の子の方へ無理やり行かせた。