私は屋上に取り残されポカンと口を開けて立っていた。


(岸田君顔が真っ赤になってた……。)


そして私はさっき好きだと言われた事を思い出した。

(本心で言ったの……？違う違う！何自惚れちゃってるの私！いつもと同じ心無い演技だよね。)


そう思っているのに授業中何故か好きだと言われた事を頭の中で何回も思い返していた。


(何で何回も思い出すのぉ〜！？)


私はどっと疲れて家に帰った。


｢お帰りなさいませ。お嬢様。あれ、なんかお疲れのご様子ですね……。大丈夫ですか？｣


渡辺さんが心配そうに私の肩に手を置いた。


｢転入生のせいで疲れてるんです……。あっ海君じゃないですよ！｣


｢まぁ〜お嬢様もしかして恋煩いじゃ…。｣


渡辺さんが嬉しそうに言った。


｢そ、そんなんじゃないですよ！｣


私は否定して部屋へと階段を駆け上がった。


そんな私を渡辺さんがじっと見つめていた……。