「神田、お母さんが交通事故に…。」


それは数学の授業中に担任に呼び出され聞かされた突然の訃報。


頭が真っ白のまま担任の車で病院に向かった。


病院に着くとすぐに霊安室に案内された。


ベッドで白い布を被って寝ているのが母らしい。


そう言われてもまだ信じられない。


私が白い布を捲ろうとすると看護師さんに止められた。


「対向車線のトラックがかなりのスピードを出していたらしいから外傷がひどくて…。 心の準備ができてからお母さんと対面した方が…。」


そう看護師さんに言われてもどうしていいのか分からない。


私はとりあえずベッドの前で深く深呼吸をした。


そして被せられている白い布をゆっくり捲った。