「見ていられないよ…。」

「はい?」

「入学した時から、ずっと雛ちゃんのこと見てきたけど、いつも心から笑ってない。

それがいつも気に掛かってて、声をかけるきっかけもそれだった。

…俺、自分で言うのも微妙だけどさ、信用できる男だよ。少なくとも、そういようとそれなりに努力もしてきた。

好きな子口説くじゃないよ、今。ただ専門の後輩の心配をしている。先輩の俺、頼ってくれませんか?」





佐原先輩…。

確かに、今までの男の子からの個人的な誘いは下心を感じるがゆえの拒否だった。



先輩は違うという。

先輩が信用できる男なのは、流れて入ってくる噂話でもちろんわかっている。