私が、決して“星司”とは言わない気持ちを察してくれた葵。 「大好きなんだね、星司さんのことが。」 「…でも、もう、忘れなきゃってわかってんの。」 「忘れる、ねぇ…。」 葵がさすってくれる背中がとても温かい。そんな、ホッとする気持ちをくれる葵。 だから、好きなんだ。 「無理に忘れる必要はないんじゃないかなー?」 しばらくしてから、さする手をとめて葵は話しだした。