私の曖昧な返事に、葵は大きいため息をひとつこぼした。 「今さらうちらに隠し事とかなしじゃん? なんか理由あんでしょー?」 「まあ…。」 「何?どうしても言いたくないことなら聞かないけど…。」 「ううん。話すよ。 葵には聞いてほしいんだよね。」 私は、星司くんのことを、出会いから別れまで細かく話した。 思い出して涙が出た時は葵がハンカチを貸してくれた。 辛すぎて話せなくなったら葵が背中をさすってくれた。