星司の前で、 「行かないで」 「私も行く」 って言えたらどんなに楽なんだろうか。毎晩そんなことを考えた。 しかし、あっさり冬休みになり、年も明けて学校が自由登校になり、いよいよ星司も東京行きの準備を本格的に始めた。 一人暮らしのために家具をそろえたり、料理の練習とかもしていた。 それが妙に淋しかった。 私は、美容師の専門学校に合格した。けど、心から喜べなかった。