窓側の席に座って、私は窓の外の地元の景色を眺めた。 「雛?」 動きだす電車の中 この街での思い出を振り返る。 楽しいことばかりってわけじゃないけど、心が温かくなるようなことばかりだ。 この街に残っている葵や、家族のことも思った。 ツーっと、頬を涙が伝った。