暫く走りながら、太郎はあのおばあちゃんのことを気にかかっていた。


―あのおばあちゃんは大丈夫なのだろうか?―もしかして、あまりの荷物の重さに……


そんなことを考えていると、

「ヒデブッ!!」

バナナの皮に滑り、後頭部を、それはそれは綺麗なフォームを描きながら強打したのであった。

「ちくしょー」

起き上がろうと、地面を手に着いた瞬間、

「ボグラっ!!」

ちょうど手を着いた位置にバナナの皮があり、鼻を強打したのであった。

「ちくしょー」

二度あることは三度ある。

今度は、頭の位置にバナナの皮があり、太郎は流れていってしまったのである。


「ちくしょー!!」

太郎は今度こそ起き上がり、レンタルビデオショップに走っていったのであった。