貴島君の本気が伝わり、なんか急に恥ずかしくなってきた。

「俺と付き合ってくれないかな?」
「貴島君、えっと……」
「もしかして、春岡が好きだったりする?」

龍輝君………?
名前を出されて、ドキッとする。

「それは………」
「ただの幼なじみじゃなかったの?」

“ただの”を強調されて言われる。
そうだ、龍輝君はただの幼なじみ……。
そうなんだけど……、でも……。
なんでそう言われると、こんなに胸が痛むのかな。
切ない、苦しい気持ちになる。

「……俺じゃぁ駄目かな」
「駄目っていうか……」

どうしよう……。
告白なんて初めてだから、こういう時どう答えたらいいかわからない。

「なら俺でもいい?」

貴島君は強い瞳で私を見てくる。
その瞳の強さに思わず黙ってしまう。

貴島君のことは好きだけど、でもどうしてかな。
素直に“うん”って言えない。

「貴島君、私……」
「じゃぁさ、一週間だけ付き合わない?」
「一週間?」

雰囲気を感じてか、貴島君が私の言葉に被せるように切り出した。
一週間だけ付き合うの?

「お試しみたいなもんだと思って、軽い気持ちで付き合ってよ。それをふまえて、一週間後、改めて返事がほしい」

真剣な声で言われると何も言えなくなってしまう。

「……わかった」

小さく頷く。
貴島君の気持ちが伝わるから、尚更この場で断わるのは出来なかった。

「ありがとう」

貴島君の嬉しそうな笑顔をなぜか胸が締め付けられた……。