最近、家の中にどんよりした空気が漂っている。 家族みんながあっけらかんとしている柴崎家にはとても珍しい。 「凌斗、あんたなんかあったの??」 お母さんがどんよりの発信源である凌斗に話しかけている。 聞かれた本人は更にどんより感を増すだけだ。 「あ、もしかして、のんちゃんに相手にされてないとか…。」 のんちゃん その単語に、我が弟は崩れ落ちた。