――― 『あ、もしもしー? 凌ちゃんサン、今日ヒマですか?』 2月14日。 お家に凌ちゃんサンを招いた。 『いらっしゃいませ凌ちゃんサン。 はっぴーばれんたいん!!』 差し出すはチョコレートケーキ。 色々迷ったけど、結局妥当なところにした。 「のん、今日がバレンタインって知ってたんだね!!」 『失敬な!! …これ、あげませんよ。』 ケーキを冷蔵庫に引っ込めようと、キッチンに向かうと後ろから追いかけてくる足音と情けない声。