「ごめんな、池内。」
「え?何が?」
「乃亜の我儘付き合ってもらって。」
「ううん。全然いいよ。私も乃亜ちゃんといれて嬉しいよ。」
「そうか?ありがと。」
なんだか申し訳ない。
我儘に付き合ってもらうのは。
親ってこんな感じなのかな。
…俺は親でも兄貴でもないけどさ。
今日も俺と慎吾は、いつもと変わらず買ったもんを食べてるけど、乃亜と池内は弁当。
「なぁ、今日も乃亜ちゃんの弁当、京平が作ったの?」
「いや…」
「え!?氷野くん、乃亜ちゃんのお弁当作ってるの?」
かなり驚いた顔で、池内が話に入って来た。
「あぁ、うん。」
「毎日?」
「幼稚園がある日は。」
「すごーい…」
「今日は違うけどね。朝早かったから。」

