菜緒の部屋にいるのは、やっぱり苦しくて、長くはいられなかった。
部屋だけは3年半前で、中3のあの日のままで止まってるのに、菜緒がこの部屋に戻ってくることはない。
そう思うと、苦しくてつらかった。
久し振りに見た菜緒の笑顔を、愛しく感じたけど、同時につらくも感じてしまった。
無意識に触れていた写真から手を離した。
ちょうどその写真の下に本が並んでいた。
中3の時の教科書とノートが並んでいて、泣きそうになる。
俺、最近泣いてばっかじゃん。
ダメだな…
本から目を離そうとすると、教科書とノートが並んだ端に、1冊違う大きさの本があった。
こんな教科書…あったっけ…

