ドアノブに手をかけた。 ガチャ。 ものすごくゆっくりドアを開けた。 なぜかすごく緊張した。 初めて見た菜緒の部屋は、まるで菜緒がまだ生きてるかのように、そのままだった。 机のとこに行ってみると、1枚写真が飾られていた。 「…これ……」 その写真は、俺が唯一菜緒と撮った写真だった。 「菜緒…」 その写真に写ってる俺と菜緒は、2人共すごく楽しそうに笑ってた。 俺にはすごく幸せそうに見えた。 俺はまた、こんな風に笑っていいのかな。 前に…進んでいいのかな… 菜緒…