「おばあちゃんちだ。」
「え、おばあちゃん?」
「昨日行ったんだよ、乃亜のおばあちゃんち。なんか1回外したんだ。」
どうしよっかなぁ。
乃亜と家帰って、まだ母ちゃん帰ってなかったら家入れねぇし…
「俺、ちょっと取り行ってくるわ。」
「え、今?」
「うん。鍵取り行って、そのまま乃亜迎え行く。そんで戻ってくるわ。」
「わかった。」
「場所変わったら、連絡しといて。」
「おぉ。」
ブーブーブーブー。
立ち上がろうとしたら、急に携帯が鳴った。
“着信 母ちゃん”
母ちゃん?
部屋の外で、電話に出た。

