でも、今日は違う。 菜緒が通うことが出来なかった高校を、俺だけが卒業するのは寂しいけど、でも違った。 おばあちゃんの言葉と慎吾の言葉が、ずっと頭から離れなかった。 “お前は生きてんだからな” “あなたは幸せになって?” “人を好きになることに、臆病にはならないでほしい” “菜緒も同じ気持ちよ、きっと” 前に進もうと思った。 だけど、どこかで踏み切れない俺がいた。 根性なしかな。 勇気がない。 自信を持つ、勇気がない。 菜緒。 菜緒は今、俺のことどう思ってる…?