涙が止まらなかった。 菜緒を愛しいと思った。 やっと涙が治まって顔を上げると、おばあちゃんの目も少し赤くなっていた。 「ねぇ、にぃにー。おばあちゃんとなにおはなししてたのぉ?」 おばあちゃんちからの帰り道、乃亜が聞いてきた。 「さぁ、なんでしょう。」 「なぁにー?」 「んー、乃亜はかわいいねぇって言ってたの。」 俺はそう言って、乃亜を抱っこして家まで帰った。 俺に抱っこされて嬉しそうに笑顔を見せた乃亜に、少し菜緒が見えたような気がした。