「そう思うことは仕方がないことだと思うの。それだけ大切な人を失ったんだもの。でもね、それを思い続けることは違うと思う。その思いに閉じこもることはしちゃいけないんじゃないかな。」
「……」
「きっと私の娘も、菜緒もそんなこと望んでないと思う。だって、京平くんは生きてるじゃない。」
「……」
「私も今はそう思って生きてる。娘の分も、菜緒の分も、私が幸せにならなきゃって。私が幸せでいたら、あの子たちもきっと幸せになってくれてるって思ってる。」
「……」
「だから京平くんにも、菜緒の分まで幸せになってほしい。きっと菜緒もそれを望んでると思うわ。」
「…でも…」

