おばあちゃんに前と同じことを聞かれて、同じ様に答えようと思った。
でも、やっぱり言葉が詰まって言えなかった。
気付いたから、自分の気持ちに。
「まぁ、好きな子って作ろうと思って出来るものでもないし、もしいないなら、無理して作ってって言うわけではないのよ?でも、おばあちゃん、やっぱり京平くんには前を向いてほしい。」
「……」
「菜緒がいなくなって、そんなの難しいかもしれないけど、でも京平くんには自分の人生を歩んでほしいの。3年間、京平くんは菜緒の為に時間を費やしてくれた。だから、これからは自分の為に生きてほしい。」
「……」
「京平くん。」
「…ん?」
「京平くん、自分は幸せになっちゃいけないって思ってるんじゃない?」
「え…」
自分の思ってることをズバリ言われて、驚いておばあちゃんの顔を見たら、目に少し涙を溜めながら優しく微笑んでいた。
「私もね、あの子が亡くなった時。あ、あの子って菜緒のお母さん。自分の娘が亡くなった時、同じこと思ってた。自分ばっかり幸せになれない。私があぁしていればって責めてばっかりだった。」
「……」
「京平くんも、そうじゃない?」
「……」
俺は黙って、少しだけ頷いた。

