そう考えると、先が見えなくなる。



人を想って、その想う人がいなくなるのは、もう経験したくない。



菜緒を失って初めて、人を失う怖さを知った。



死ぬということに対して、俺は何も出来ないことを知った。



人を想う怖さを知った。



人を想えば想うほど、怖くなる。



自分が弱くなる。



俺は、菜緒と同時に自信を失くし、その代わりに後悔と怖さを得た。