菜緒は俺が死なせたようなものなのに、そんな俺が菜緒以外の誰かを好きになるなんて、自分で自分が信じられなかった。
自分で自分が許せなかった。
こんなことしていいわけがない。
俺が菜緒以外の誰かと付き合うなんて、菜緒が良く思うわけがない。
俺がそんなことする立場じゃない。
俺が幸せになるなんて、考えちゃいけない。
そんなもの、なっちゃいけない。
俺は幸せになる立場じゃない。
菜緒が幸せになれなかったんだ。
だったら、俺だけ幸せな人生を送るなんて、申し訳なさ過ぎて、出来るわけない。
俺は菜緒だけを想えばいい。
菜緒を想ってるよ、今でも。
菜緒が好きだよ、今でも。

