「あ、やべ。慎吾、100円。」 「は?」 「100円ない。出して。」 「はぁ~?」 昼の時間、パンを買って屋上に行く。 「お前、100円返せよ。」 「わぁーってるよ。…あ、でもこないだ俺、お前に100円貸したじゃん。」 「いつ?」 「自販機で飲み物買った時。いつだか忘れたけど。」 「…あー、そうだったそうだった。」 他愛もない話をしながら、階段を上る。 毎日毎日、屋上までの階段を上ってるけど、いつも疲れる。 飯買うのは1階だから。 疲れない人もいないと思うけど。