あの日、菜緒がいなくなってから初めて学校に行った日、そう思った。
どこかもわからないあのトンネルまで、俺を探しに来てくれた慎吾と池内。
あの日だけじゃなく、慎吾はいつでも俺を心配してくれてた。
それなのに心配してくれる人の気持ちをほっといて、死ねない。
それにあの日、トンネルで池内に言われたこと。
あの言葉を聞いて、死ぬのはやめようって思ったのは大きかった。
“1人で抱え込まないで…氷野くんは1人じゃないから…”
池内に言われて、すぐにその言葉を受け入れることは出来なかったけど、俺の耳から離れなかった。

