「ただいま。」
「おかえり。」
家に入って1番に俺を出迎えたのは、母ちゃんだった。
「大丈夫だった?ちゃんと出来た?」
「うん。おばあちゃんもいたし、大丈夫だったよ。」
「そう。」
母ちゃんは菜緒がいなくなった俺を心配してるとこもあるけど、今日に関しては喪主を務められるかも心配していた。
今の“ちゃんと出来た”っていうのは、そこ。
そりゃそうだよな。
未成年だし。
母ちゃんも親父もやったことないらしいし。
自分の部屋に戻って、喪服を脱いだ。
部屋着に着替えて、ベットに座る。
ちょうど目線の先に、脱いでハンガーにかけた喪服があった。

