「俺。氷野。」


「あ、はい。」



少しして玄関から池内が出てきた。



「ありがとな。」


「ううん。」


「乃亜、迷惑かけなかった?」


「うん。全然。いい子だったよ。」


「そっか。ホントごめんな、ありがとう。」


「京平。」



家の中から、慎吾が出てきた。



「村田くんも、乃亜ちゃんのこと心配して、さっき来てくれたの。」


「そっか。悪いな。」



池内に「家に上がってく?」って言われたけど、帰ることにした。



上がっていくことは出来るかもしれないけど、気を遣わせるだけな気がして。