この日、菜緒はいなくなった。



この世から、ホントにいなくなってしまった。



天国に行ってしまった。



空へと行ってしまった。



俺はその後もおばあちゃんと一緒にいて、一度おばあちゃんちに帰った。



帰ったって言い方は、俺んちじゃないから変だけど。



でも少しして、家に帰ることにした。



おばあちゃんも1人にした方がいいかなって感じだったし、俺も早く帰った方が乃亜のこともあるしと思って。



おばあちゃんちを出て、自分ちに帰る前に池内の家に寄る。



ピーンポーン。



「はい。」



インターホンから池内の声がした。